とある日の出来事、床屋にて。
散髪しに床屋に行ってきた。
私の行きつけの床屋、3Q CUT。
その日はたくさん客がいた。
それを見て今日はやめようかなと思ったが、
明日以降になっても客は減らないだろうと思い直し、
自分も券売機でチケットを買い列に並んで座った。
客は10人くらい並んでた。
店員は3人。
先に来た客から順番に店員に呼ばれていく。
それにしてもその日は客が多かった。
なかなか列は進まなかった。
そのとき一人の客が店内に入って来た。
白髪頭で小太り、老眼鏡を鼻の上にのせている初老の男だった。
券売機でチケットを買い、その男も列に並んで椅子に座った。
男は、左右に座っているおばさん達と軽く世間話をしていたが、
しばらくすると突然 店員を指差しながら、
「おい、おっさん、おっさん、二人しか居ないのか。」と大きな声で言い放った。
店員は3人居たのだが、その男には二人しか見えなかったらしい。
店員が返事していたが、なんと言っていたのか自分には聞こえなかった。
「まったくここは3Q CUTだろ、3Qはサンキュー、ありがとうだぞ、
こんなに時間がかかってるんじゃぁ、ちっともありがとうって気持ちにならん。」
男は、となりのおばさんに話しかけるようにブツブツ言っていた。
おばさんは軽く笑っていた。
ちょうど先客の散髪が終わったとき、その男はすばやく店員に声をかけ、
待てないからお金を返金してくれ とチケットを店員に差し出した。
店員はいそいで棚の引き出しの鍵を開け、お金を取り出し男に渡した。
お金を受け取った男は足早に店の外へ出て行った。
店員は「ありがとうございました。」と言うと並んで座っている客に声をかけ
散髪しに戻っていった。