吹雪の夜
一軒の寺で、餅と和尚が向かい合って、酒を飲んでいた。
「今夜は冷えるねぇ」と、餅が言った。
「だったら、ほれ この囲炉裏の中に入ったらいい、暖まるぞ。」と、和尚が言った。
「じゃぁ、そうさせてもらうかね。」
そう言うと、餅は勢いよく囲炉裏の中へ飛び込んだ。
「あぁ、あったかい。」ぷぅ と、餅が膨らんだ。
「ほれ、もっと暖まるがいい。」和尚は、真っ赤に燃えた炭を餅にかけてあげた。
「あぁ、しんまで暖まる」ぷぅ さらに餅が膨らんだ。
それを見ていた和尚、餅をつまみ上げると、ひとくちで食べてしまった。